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■ 本当にあった怖い恋愛話 その3(コバヤシ)

《翻弄されまくり人生!》

目が覚めると、もう夕方の5時過ぎです。そして、私は気づきました。
今日はバイトの日じゃないか!

そうです。私はA子ちゃんと、とある飲食店でのバイト先で知り合った仲だったのです。
今日はA子ちゃんもシフトに入っている。どうしよう。
うまく謝れるかな? うまく仲直りできるかな? 友達ひゃくにんできるかな?

そんな様々な思いが頭をグルグル回ります。
私はベッドの写真たてを眺めました。バイトの仲間でキャンプに行ったときの写真です。
写真の中の彼女はうまい棒の「メンタイ味」をはるかに凌ぐ魅力的な笑顔をこちらに向けています。

彼女と過ごした(バイト先だけど)様々なシーンが蘇ります。

・・・嫌な客が来ると、すぐに私に駆け寄ってくる彼女。
そして、
かっこよく決めようとしたのに相手を逆上させて、胸倉を掴まれたりする私・・・

・・・入手困難なライブのチケットがどうしても欲しいときに、真っ先に私を頼ってきてくれた彼女。
どこを探しても見つからなくって、結局ネットオークションで定価の2倍以上で落札して、
しかもかっこつけたいもんだから
「いいよ。俺、知り合いがいるからタダであげるよ」とか強がって見せた私・・・
その後、
大事にしていたファミコンソフトを中古屋に持っていった私・・・

・・・
「ごめんなさい。また、間違っちゃって作っちゃいました〜」と、
絶対に誰も注文しないような巨大パフェを作って私に持ってくる彼女。
「いいよ、俺もよく間違えるから。ちょうど腹減ってたし」と無茶苦茶なフォローをしながら、
満腹なのに無理やり食べてるにも関わらず、店長に見つかって時給が100円下がった私・・・

どれをとってもいい思い出ばかりだ・・・そして、あの日・・・
彼女のほうから「何となくコバヤシ先輩のこと気になるんです」と告白されたあの日・・・

私は本当に天にも昇る気持ちだったのです。
 
謝ろう! 
謝りまくって、やり直してもらおう。誠意を見せれば彼女だって分かってくれるさ!

バイト先につくと、まだ彼女は来ていない。その代わりに、他のバイト達が何やら楽しそうに話してる。
どうやら昨日、バイトのメンバーで飲みに行ったらしい。
よほど盛り上がったらしく、みんな昨日の話を思い出しては爆笑している。

「コバヤシさんもくればよかったのに。めちゃくちゃ楽しかったッスよ」
「・・・いや、俺は、昨日は用事があって・・・」
「そうなんですか。A子ちゃんも来たから、てっきりコバヤシさんも来るのかと思ってたんですけど・・・」

え? A子ちゃんも?

「A子ちゃんって、うちのバイトのA子ちゃんだよね?」
「です」

・・・ということは、A子ちゃんは、あの後、こいつらと飲みにいったってことか・・・
私がずーっと待ちぼうけしているときに。こいつらとワイワイ楽しくやってたんだね・・・

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